もうすぐ、亡き父方の祖父の命日がやってきます。
わたしは幼いころはおじいちゃん子でした。
お風呂も一緒。牛乳を飲む祖父をまねて一気飲み。
酢昆布が大好きだった祖父をマネて酢昆布三昧。
でも、それは幼い頃のお話で同じ家に暮らしていましたが、
私が成長してからはあまり交流がなくなりました。
他にも理由があるのですがそのあたりは割愛。
そんな祖父は仕事一筋の職人さんでした。
父親と同じ仕事をして、独立。
病気で動けなくなるまで仕事を続けた人でした。
祖父は昔気質のところがありましたが、
「今の時代女の子だからこそ学が必要」
だといってくれたり、
本を書いたい、しかしお小遣いが…という時に
「本はたくさん読むといい」
と祖母には内緒でお小遣いをくれたりしました。
祖母は「女の子には学はいらない」「大学なんていっても無意味」
「高校を卒業したら働いて私たちにお金を渡してもらわないと」
といっていたこの落差に私は祖母に失望し、祖父に尊敬の念をいだきました。
祖父は、小さな町工場の三男として生まれました。
時代が時代です。そして都会に住んでいたので疎開もしました。
疎開先ではいじめられ、しばらくして奉公にでた先でもいびられたことがあったそうです。
祖父は勉強がしたかった人なのだと思います。
祖父の親類にはあの時代に大学までいき教師になった人もいたそうで、
もしかしたら祖父なりにコンプレックスがあったのかもしれません。
入院中の祖父はいつも何か本を読んでいました。
私の本棚からテキトーにチョイスしたものでしたが、
あますところなく読んで「こんなの読んでるんだねすごいね」と言ってくれました。
ただ、文章ばかりの本だと飽きるかな、とたまたまもっていた『悪魔くん』をわたしたところとてもおもしろかったらしく「漫画をもってきてくれたらうれしい」といわれました。
でも、「少女漫画はいやだな」といわれて、困ってしまいました。
『悪魔くん』みたいなお話を望んでいるのかな?と思いつつも探していたのですがそうやってわたわたやっているうちに祖父は寝たきりになってしまい。本を読むどころではなくなってしまいました。
よく言われますよね。人はなくなってから「もっとこうしてあげたならば」「もしかしたら」と考えると。まさしく、そのとおりでした。祖父の死は最初はよくわからなくて、でも火葬場に運ばれる姿をみて「うわああああああ」と泣いてしまいました。
今でもなんだか祖父は病院にいる気がします。
病室にいったら笑顔で出迎えてくれる気がします。
おじいちゃんはよく仏様の本を読んでいた。
「今からお世話になるから」と笑っていたけれど、そっか今から行くところがこんな楽しいところだよって向かえ来る死について受け入れさせられるような漫画もっていけばよかったのかもしれない。
たとえば楽しい地獄生活を描いている『鬼灯の冷徹』とか。
今更何をおもっても、もう遅いけれど。
あとリアルな問題として親戚一同と顔を合わせる法事が怖いのでもうどこかに埋まっていたい。
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